ヘスペリジン、網膜障害改善示唆 東北大学が発表(2017.8.7)


 東北大学は1日、同大学院医学系研究科の中澤徹教授、前川重人医師、佐藤孝太助教授らのグループが、ヘスペリジンが網膜細胞障害での神経保護作用をもつことを発見したと発表した。

 ミカンやシークワーサーなど柑橘類にはポリフェノールの一種のヘスペリジンが多く含有する。
中澤教授らは、網膜の保護作用を持つ抗酸化食品成分としてヘスペリジンを同定。網膜障害のマウスを使ってヘスペリジン投与の実験をしたところ、投与しなかったマウスに比べて残存した網膜神経節細胞が多いことが分かった。また、網膜障害による視力低下を防ぐことも実験により分かったとしている。

 緑内障の治療は薬剤や手術で眼圧を降下させる方法が一般的だが、眼圧が正常な場合は効果が薄いとされている。今回の研究結果により、サプリメントの内服などにより、眼圧降下以外の方法で緑内障の網膜障害を軽減させる可能性があるとしている。同研究は文部科学省の科学研究費とわかもと製薬㈱の支援を受けて行われている。


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