機能性表示食品 届出実数1000件超える (2017.8.10)


 機能性表示食品の届出総数が1日、撤回を除いた実数で1000件の大台を突破した。
 その後も更新があり、8日現在で届出総数は1050件余りに達しているが、届出撤回が36件出ているため、差し引き1017件。行政、業界ともに制度運用を依然安定させられない側面はある。しかし特定保健用食品がおよそ20年かけた道のりを、制度が施行された2015年4月から、わずか2年余りで駆け抜けた。

 制度を所管する消費者庁の下には、今年4月末の時点で制度施行以来1600件の届出書類が提出されたことが分かっている。ペースが落ち着いている可能性はあるものの、その後も件数が積み上がっているのは確実だ。

 加えて、政府の規制改革実施計画を受け、Q&Aの策定やガイドラインのわかりづらい部分の見直しなど、制度の運用改善に向けた取組みが進みつつある。他方で、機能性表示食品の広告宣伝も含めた届出情報の事後監視を強化する行政の動きもある。そのため、今後の届出撤回の動きにも左右されるが、次の1000件を新たに積み上がるまでに、そう長い時間は要さないと考えられそうだ。

 一方、これまでに届け出られた食品の区分を届出データベースで見ると、サプリメントは477件、サプリメント以外の他加工食品は557件、生鮮食品は8件(いずれも撤回含む)とその他加工食品が過半数を占めている。市場の主役はどちらかといえば、トクホと同様に一般加工食品であることをうかがわせる。

 ただ、このうち現在販売されている機能性表示食品がどれだけあるのかは判然としない。一部の情報サイトは260件との数字を示しているものの、正確なものかどうかは不明だ。

 消費者庁では最近、日本健康・栄養食品協会に協力依頼する形で機能性表示食品の販売状況を調べている。同庁の岡村長官は先月26日に行った会見で、「公表すべきかどうかも検討した上で、公表するということになれば、しかるべき形で発表する」とコメント。届出件数も1000件を超えてきた中で、市場流通実態を正確に把握するためにも、調査結果の公表が待たれそうだ。

 なお、民間調査会社(矢野経済研究所)は、昨年8月から12月に実施した16年度の機能性表示食品市場規模調査結果として、出荷額ベースで1438億円(15年度446億円)との見込みを示している。

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