機能性農産物、「食べたい」6割 健康成分含有で期待感(2013.12.12)
健康増進が期待できる成分を含む農産物や加工食品を食べたいと思う消費者は約6割──こんな調査結果を日本政策金融公庫農林水産事業がまとめ、先ごろ発表した。公庫が今年7月に実施した平成25年度上半期消費者動向調査結果に基づくもので、特に、20代女性の関心が高い傾向がうかがわれるという。
発表によると、全国の20歳~70歳代男女2000名を対象にインターネット調査を実施したところ、「試しに食べてみたい」を含めた「食べたい」と回答した割合は全体で男性56.2%、女性57.9%とおよそ6割に達した。このうち、そう回答した人の割合が最も多かったのは20代女性の63.0%。「ぜひ食べたい」の回答割合についても、14.5%と最も高かった。
また、「食べたい」と回答した人のうち、従来の農産物や加工食品の価格に対して「割高でも購入する」と回答した人の割合は全体で65.6%、女性20代では68.5%と価格許容度も高い傾向だった。特に、女性20代では「3割超えでも購入」すると回答した人が5.7%に上った。
一方で、「食べたくない」と回答したのは全体で男性28.0%、女30.2%。その内訳としては、「効果が不明」「必要を感じない」「安全性が不安」などの回答が含まれており、農産物で機能性表示が出来たとしても、効果や安全性について消費者に情報提供する必要性のあることが浮き彫りとなった。
なお、政府は今年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」で、健康食品などの加工食品とともに、農林水産物の機能性表示制度を2014年度中に実施する施策を掲げており、農林水産省は機能性を持つ農産物の研究開発やデータベース化などのプロジェクトを既に開始している。