JADA サプリ有識者会議が初会合 (2017.9.7)


 サプリメントの反ドーピング認証も行っている日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は4日、「サプリメント認証制度検証有識者会議」の初会合を開いた。
 委員長にはスポーツ関連の法律に詳しい境田正樹弁護士が就任した。

 本紙の取材によると、委員はJADA幹部をはじめ、日本ガス機器検査協会、味の素㈱、㈱明治、大塚製薬㈱、スポーツ庁国際課、日本健康・栄養食品協会、日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ振興センター(JSC)、オリンピック柔道メダリスト、㈱LSIメディエンス、森永製菓㈱、㈱ドーム、日本健康食品規格協会の合計15名。

 一方で、JADAのサプリメント分析を担当する公益財団法人・日本分析センターは、この会議に参加していない。

 有識者会議は来年2月末まで開催の予定で、報告書をまとめると見られる。サプリメントの国内認証体制のあるべき姿を検証するが、審議は非公開のため、具体的な検討項目や議論の方向性は、結論の集約まで分からない。

 しかし、仮に現行のJADA認証制度を見直すとなれば、すでに認証マークを取得している商品の扱いをどうするかなど課題も出てくる。着地点をどこに見出すのか、審議は難航が予想される。次回会合は10月の見通し。

解説
 日本のサプリメント認証体制は、JADA(JADA認定マーク)のほか、昨年12月にスタートした英LGC社の「インフォームドチョイス」などが存在するが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、反ドーピング機関がサプリの認証業務を兼ねていることにWADA(世界アンチ・ドーピング機構)から難色が示されたとの見方もある。

 国際的には大部分の国が、反ドーピング機関とサプリメントの反ドーピング認証機関の利益相反を確立する観点から、別の組織となっている。このため有識者会議ではJADAからサプリ認証業務を分離することがテーマになるものと見られる。

 可能性としては、国内で独自分析機関を養成・認証体制を作る方法や日健栄協などが受け皿になる仕組み、企業の自主認証制度、既存の複数の認証制度をそのまま活用する――などが考えられるが、方向性は見えていない。大手企業の動向に注目が集まる。


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