消費者委員会 第5次委員会が始動 (2017.9.7)


 消費者委員会委員長を3期6年にわたり務めた河上正二氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)が8月末で退任し、委員を一部入れ替えた第5次消費者委員会が1日にスタートした。新委員長は6日開催の本会議において委員の互選で決める。委員の任期は2年。

 第4次委員会は昨年4月に「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」を取りまとめ、機能性表示食品制度も含めて消費者庁の取組を監視、フォローしてきた。第5次委員会でも引き続き同様に取り組む見通し。第4次委員会では建議に対する同庁の対応に不満感を示し、今年1月、異例の「建議の実施報告に対する意見」を発出し、更なる対応を求めていた。

 8月29日に行われた第4次委員会の最終会合では、「次期消費者委員会への移行に当たっての留意事項」を取りまとめた。この中で、食品表示に関しては、機能性表示食品制度について、「不断の検証を行うことが重要」「制度の運用状況や制度に対する消費者の理解度等を踏まえ、改善に向けた見直しが行われることが重要」だとし、引き続き消費者庁の取組をフォローするよう第5次委員会に申し渡した。トクホについても、建議への実効性のある対応実施に向けて同様に取り組むよう求めた。

 また、加工食品の原料・原産地表示についても、委員会が8月に発出した答申書に盛り込んだ「前提条件」や「附帯意見」に関し、その対応に向けた関係省庁の取組を確認していくよう求めた。

 今後の消費者委員会の食品表示対応をめぐっては、第4次委員会をもって退任した阿久澤良造氏(日本獣医生命科学大学学長)に代わり、新任の受田浩之委員(高知大学副学長)が役割を果たすものとみられる。消費者委員会事務局によると、受田委員の専門は食品分析学・食品化学および食品機能学。第4次委員会では臨時委員として食品表示部会に参画していた。


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