サプリの反ドーピング 企業の垣根超えたコンソーシアム (2017.9.7)


 サプリメントに関する国際的な民間アンチ・ドーピング認証「インフォームドチョイス」を日本国内に普及させ、アスリートが安心して目的にかなった商品を選択、摂取できる環境を整えていくことを目的に、同認証取得企業らの大手を含む7社が発起人となり、このほどコンソーシアムを立ち上げた。ここにきてアスリートにサプリメントを販売する企業などからは、同認証を取得したい意向を語る声も増えている。コンソーシアムは今後、認証取得企業に随時加盟を促し、企業の垣根を超える形で規模を拡大していきたい考え。

安心して摂取環境整備へ
 インフォームドチョイス認証を行うのは、イギリスの分析機関ラボラトリー・ガバメント・ケミスト(LGC)。アンチ・ドーピングの分析に関してはサプリメントに特化しており、同認証プログラムを日本に本格導入したのは昨年末。日本総代理店を手掛けるバイオヘルスリサーチリミテッド(池田秀子社長)は8月25日、「インフォームドチョイス・コンソーシアム」(ICC)の設立を発表した。

 発表によると、バイオヘルスリサーチとともにICCを立ち上げた発起人企業はドーム▽スタミナ・スポーツ▽日本ハム▽日本新薬▽日本水産▽協和発酵バイオ▽ステアスの7社。ドーム、日ハム、スタミナの3社はすでに同認証を取得済み、日本新薬、日本水産、協和発酵バイオ、ステアスの4社は近く認証を取得する予定という。

 バイオヘルスリサーチによると、2007年にスタートしたインフォームドチョイスは現在までに約170のサプリメントブランドが認証を取得。また、イギリス、スペイン、オーストラリア、南米など各国のアンチ・ドーピング機構をはじめ、英国スポーツ協会やオーストラリアスポーツ栄養士協会のほかウェールズラグビー協会、英国水泳連盟など各競技団体等から認定を受けているという。

 「アスリートが〝うっかりドーピング〟で選手生命を損なうことなく、安心して目的にかなった製品選択ができる環境を整えていくことは、製品を提供する企業の使命」――ICCはこう指摘するとともに、「(インフォームドチョイス)認証を通してその環境づくりの輪をより広げていくことは、アスリートのみならず、一般消費者にも大きなが意義がある」としている。

 日本でのサプリメントなど食品のアンチ・ドーピング認証をめぐっては、以前から日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が手掛けていた。ただ、最近になり認証制度としての公平性や透明性を疑問視する声が強まっている。協賛金が必要だったり、分析結果の詳細が非開示にされたりなどしたためだ。アスリートのドーピング検査を行う機関自らが商品認証を行うことにも疑問の声があがる。

 そのためかJADA認定の取得企業は現在3社にまで減少。ICC発起人企業の中からは、「インフォームドチョイスを日本の(アンチ・ドーピング認証の)スタンダードに成長させたい」と意気込む声も聞かれる。




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