表示対策課の取締り「非常に厳しく」 機能性表示巡り森下氏 「届出表示ベースの広告を」(2017.9.14)
規制改革推進会議委員の森下竜一・大阪大学大学院教授は14日、機能性表示食品制度について都内で講演を行い、広告などに関する消費者庁表示対策課(食品表示対策室)の取締りが非常に厳しくなっていると述べ、事業者に対して注意喚起した。「おそらく(同庁から届出内容や広告について確認などを求める)書類が1回は届くと思う。準備をしておいたほうがいい」。
ヒアルロン酸機能性研究会の第3回学術大会で講演した。
森下氏は、「(届出に対する)事後規制が本格的に始まってきた。(事業者から)いろんな相談を受けている」と現状を説明したうえで、事業者と同課の間で「おかしいと思っている内容にものすごく齟齬があり、(双方で)ポイントがずれている。なんとかすり合わせる必要がある」と指摘。事業者に対し、届出表示を逸脱しない広告宣伝を行うよう求めた。
森下氏はまた、消費者庁が昨年6月に公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」を改めて確認するようにも求めた。
留意事項の「問題となる広告例」のうち、「ぶよぶよのお腹がたった1粒で…」「飲むだけでドンドン落ちる」のキャッチコピーと、太った男性の画像などが表示された広告例を引き合いに出し、機能性表示食品においても、「その通りにエビデンスがあれば問題ないが、あまりに効果を強調し過ぎている(ため問題)という(のが同課の)認識」だと解説した。
森下氏は店頭の「POP広告」についても言及。「POPは商品に貼ったらPOPではない。棚に貼るからPOPであり、もし商品(機能性表示食品)に貼る場合はPOP(の表示見本)も届け出ないとならない」と同課の考え方を説明。またフェイスブックなどSNS上の広告も「(取締りの)対象」とし、実際に取締りが始まっているとした。
森下氏は機能性表示食品制度のいわば「生みの親」。この日は事業者に対して注意喚起を行ったが、同課に対する不満の思いが言外ににじむ講演だった。取締りは広告以外に届出そのものにも及んでいるとみられる。