プエラリア、定量分析が必要に 女性ホルモン様物質に関して厚労省通知(2017.9.25)


 厚生労働省と消費者庁が22日発出した、プエラリア・ミリフィカを原材料に含む健康食品に関する通知は、原材料を含めた適正な製造管理の徹底と、消費者への情報提供の2つを柱に、事実上の規制に乗り出すものだ。このうち製造管理に関しては、プエラリアに含まれるデオキシミロエストロールやミロエストロールなど女性ホルモン様物質(植物エストロゲン)の定量分析を新たに実施することを要求しており、原材料レベルからの安全性確保の徹底に重きを置いている。

 通知では、プエラリア健康食品に関する製造管理の徹底(改善指導)について、厚労省が2005年に発出した通知「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方」および「原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」に基づき指導を行うよう求めている。

 厚労省によると、デオキシミロエストロールやミロエストロールの定量分析に商業ベースで対応できる試験分析機関は現在国内には存在しないとみられる。それもあり通知には、定量分析に関する4つの文献情報を記載した。

 ただ、記載した情報は文献名のみであり、事業者自らで文献の内容を調べ、そのうえで事業者自らプエラリアに含まれる女性ホルモン様物質の定量分析方法を検討するよう求めた。特に原材料事業者の対応が問われることになるが、定量分析方法の検討には時間を要する可能性が高い。

 厚労省は今回、プエラリア健康食品に関する製造管理の徹底を求めるにあたり、取扱い事業者に対し、原材料レベルから最終製品までのGMP(適正製造規範)の実施を事実上求めたといえそうだ。その点は、通知に盛り込んだ次の一文から窺える。

 「原材料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、特定物質(女性ホルモン様物質)の含有量が製品設計に適合していることを、製造記録により確認すること」──通知ではこう要求したうえで、「必要に応じて製品の試験を実施すること」も求めている。

 今回の通知を受け、プエラリア健康食品を取り扱う事業者の中からは今後、原材料の配合量を少なくするなど製品設計の大幅な見直しを迫られる先も出てくる見通し。また事業者から消費者への情報提供の一環として、健康被害のリスクがあることを製品パッケージなどに表示することも求められる。バストアップ作用などを期待した若い女性からの需要の減退は不可避と言えそうだ。

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