グルコサミン プロケミが届出変更 届出撤回収束なるか(2017.10.26)
グルコサミン原料製造販売大手のプロテインケミカル(東京都千代田区)が、自ら届け出ていた関節ケア訴求のグルコサミン塩酸塩機能性表示食品(B104)の変更届出を行い、研究レビューの内容を改定した。採用文献について、従来2報だったところ4報追加し6報に変更。機能性のエビデンス強化を図ったかっこうだ。追加した文献では、プラセボ対比で統計学的有意差が確認されている。届出表示の変更はない。
この新たな研究レビューによって、今年5月末以降相次ぐグルコサミン機能性表示食品の届出撤回問題を収束できるかどうかが注目される。これまでの撤回件数は、23日現在で9社17件にも上る。
変更届出が行われたのは先月28日付。一方で同庁が届出データベースを更新し、変更内容を公表したのは今月18日と、およそ20日間もの時間差がある。
同庁は、変更届出公表までの間に、新たな研究レビューの内容を精査していたようだ。新たな研究レビューが届出表示の根拠と言えるかどうかについて、一定の判断のもと「受理」したと考えられる。届出表示は「グルコサミン塩酸塩は運動や歩行など関節への負荷に伴う軟骨成分の過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を保護することが報告されており、関節の健康(運動や歩行時)が気になる方に適しています」。
ただし、受理後も「チェック」されるのが機能性表示食品。変更された研究レビューの内容を、一連の届出撤回の契機になった指摘を同庁に行ったとみられる有識者らがどのように捉えているかは不明で、撤回問題が収束に向かうかどうかは予断を許さないと言えそうだ。プロテインケミカルの勝呂栞・企画開発顧問は、「(新たな研究レビューは)撤回を止められるものと考えている。グルコサミン産業を守ることは原料メーカーの責任」と話す。
同社も、消費者庁から届け出た機能性に関して研究レビューで示した科学的根拠の不足を指摘されていた。これを受けて研究レビューを再度実施し、届出情報を変更。同社の届出支援を受けてグルコサミン機能性表示食品を届け出ていた企業の一部も、同様に変更届出を行っている。
これまでに撤回された届出の研究レビューを巡り消費者庁が受理後に問題視したのは、採用文献にプラセボ対比で統計学的有意差が確認された文献が含まれていなかった点だ。これまでに撤回された届出では、すべてで同じ文献2報が採用されていた。同社の届出も同様だった。