商業動態統計 9月分速報 健食販売額7.8%増と急伸(2017.11.9)
不振が続く百貨店、スーパーなどとは対照的に、ドラッグストア(DgS)の好調が続いている。経済産業省の商業動態統計9月分速報値では、販売額が前年同月比7.8%増と急伸。これを背景に健康食品も約15カ月ぶりの7%台を記録した。一方、DgSとともに、小売部門で唯一、好調を維持してきたコンビニエンスストア(CVS)は、ここにきて“失速”傾向が出始めており、予断を許さない状況だ。小売競争の構図は大きく変化するのか。変革の時を迎えているといえそうだ。
小売部門でのドラッグストア(DgS)の“ひとり勝ち”状況を背景に、DgSにおける健康食品の販売好調が続いている。
経済産業省が10月30日に公表した商業動態統計の9月分速報値で、ドラッグストア(DgS)の商品別販売額のうち、健康食品が前年同月比7.8%増とここ15カ月で最も高い伸び率となった。
9月分の速報値によると、DgSの商品販売額は前年同月比7.8%増の4928億円と4月から続いていた5~6%台をさらに上回り、昨年7月以来の7%台の高い伸び率を記録した。
商品別では、食品が9.8%増の1340億円と1割近い伸び。家庭用品・日用消耗品は5.0%増の758億円。トイレタリーは5.0%増の470億円。ビューティケアが8.5%増の7357億円。ヘルスケア用品は9%増の328億円といずれも好調。
OTC医薬品は6.8%増の687億円。昨年9月から今年4月までマイナスが続いていた調剤医薬品は、10.6%増の324億円と2桁の伸びを記録した。8月に2.3%と落ち込んでいた健康食品は7.8%増・170億円の伸びを見せ、ここ15カ月で最も高い伸びを見せた。
健康食品を含むこれらDgSの販売好調は、順調な出店ペースが続いていることがある。DgSの店舗数は、昨年9月の1万3898店に対して、今年9月時点で1万4689店と、昨年7月から見た場合、一貫して右肩上がりが続いている。
一方、DgSとともに高い伸び率を示していたコンビニエンスストア(CVS)は、店舗数で昨年の5万5千店台から5万6千店台に到達したものの、そこで増減を繰り返す状況。販売額の伸び率も昨年の平均3%台から、今年は2%台以下を記録する月次が多く、伸び率の鈍化傾向が強くなり始めている。
その他は、微増のホームセンターを除き、家電大型専門店、スーパー、百貨店ともに年次ベースでは販売額の減少が続いている。