食薬区分 運用見直し向け議論開始 規制改革 見直す方向でほぼ合意(2017.11.23)
政府の規制改革推進会議のワーキンググループ(医療・介護)が20日に会合を開き、食薬区分(46通知)の運用見直しを巡る議論を開始した。所管する厚生労働省や保健機能食品制度を担当する消費者庁のほか、見直し要望主体として健康食品産業協議会、バイオインダストリー協会が参加。非公開で行われたが、規制改革推進室によると、食薬区分を見直す方向で意見がまとまったが、具体的なところは今後の議論を待つ必要がある。
今回審議が始まった食薬区分の見直しはもともと、「専ら医薬リスト」に収載されている成分が一律に機能性表示食品制度の対象外とされている現状を受け、産業協議会などが要望していたもの。機能性を表示できない「いわゆる健康食品」で専ら医薬成分を使えるようにすることを目的にしたものではなく、対象は保健機能食品に限定される見通し。
推進室によると、この日の会合では、「明らか食品」に該当すると判断される食品については専ら医薬リスト収載成分を含む場合でも、例外的に機能性表示食品として届出が可能となる仕組みを構築する方向で意見がおおよそまとまった。
どの専ら医薬リスト収載成分を対象とするか、どのような基準で明らか食品と判断するかなど、見直しに向けた具体的な手法にまでは議論が至っていない。ただ、専ら医薬リスト収載成分を天然に含む生鮮食品、例えばガンマオリザノールを含む玄米等は、明らかに食品と判断される可能性が高いと考えられる。
他方、厚労省は「何でもかんでもOKではない」と述べているといい、摂取リスクの可能性も考えられる専ら医薬リスト収載成分を、高濃度に精製したような素材を含むサプリメントや加工食品は、現状微妙な立場に置かれている可能性がある。
推進室によると、明らか食品に該当するかどうかの判断にあたっては、「消費者庁と厚労省が調整し、業界ともコミュニケーションしながら検討していく」との話がこの日はでたという。
産業協議会では、「食品の関与成分としての使用を例外として認める」ための要件として、①食品として喫食した際の安全性が説明できる②通常喫食される食品の中に広く存在が認められている成分③実際に用いる素材(専ら医薬リスト収載成分を含有する原材料)は合法的かつ安全性に使用することが可能な食品または食品添加物──の3つを提案している。
「引き続きワーキングで詳細を議論する。結論が出たわけではない」と規制改革推進室は話す。次回会合は年明けに行われる予定という。