医療周辺サービス育成へ 次世代ヘルスケア産業協議会(2014.1.9)
政府は、公的医療保険外の医療周辺ヘルスケア産業(=健康寿命延伸産業)を創出・育成するに当たり、グレーゾーンの解消方法など具体的な対応策を官民一体となり検討する目的で、「次世代ヘルスケア産業協議会」を新たに設置し、第1回会合を首相官邸で先月24日に開いた。座長を務めるのは永井良三・自治医科大学学長。健康食品業界からは関口洋一・健康食品産業協議会会長、下田智久・日本健康栄養食品協会理事長の2名が委員として加わった。
同会は、昨年6月に閣議決定した日本再興戦略および健康・医療戦略に基づき内閣に設置された「健康・医療戦略推進本部(本部長・内閣総理大臣)」の下で活動するもの。両閣議決定において「(健康寿命延伸産業にかかわる)民間サービスの品質を確保する枠組みを整備する」目的で設置が要求されていた。
事務方を務めるのは経済産業省ヘルスケア産業課で、内閣官房健康・医療推進室や厚生労働省の協力を得ながら、今年6月を目途に、評価対象とするグレーゾーンサービス・製品を類型化した上で、その品質評価基準などについて中間取りまとめを行う方針。これにより、関連企業が統一的基準のもとサービス、商品を市場展開できるようするとともに、消費者が効果・効能に関して適切な情報を確認できるようにする。
具体的に検討作業を行うのは同会に設置するワーキンググループ。会では当面の検討課題として①グレーゾーンの解消(新たな健康関連サービス・製品の市場創出のための事業環境の整備)②関連サービス・製品の品質評価のあり方③企業や個人などの健康投資を促進するための方策―の3つを挙げており、それぞれに対応したWGが今月から検討を開始する。
昨年11月12日に開かれた産業競争力会議・医療介護等分科会配布資料によれば、同協議会では大学や学会などと連携して「品質を訴求するための適切な基準や仕組みが存在しない製品・サービスに対して、第三者認証の仕組みの構築・普及を図る」。また、その第1号実証事例として、2014年度中に慶応大学医学部と連携して運動サービスに関する第三者認証制度を立ち上げる計画。
なお経産省では、14年度予算案に健康寿命延伸産業創出推進事業として8.7億円を計上。グレーゾーンの解消や疾病予防活動に関連した調査を公募して実施し、関連市場規模を2020年までに10兆円に拡大させたい考え。