JACDSが売場づくり 機能性表示食など棚割提案 (2017.12.7)
ドラッグストア業界の「10兆円産業化」を目指すにあたり、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)がその方策のひとつとして機能性表示食品やスマイルケア食品などの機能性を持つ食品群による新たな需要を掘り起こすための試みを始めた。横浜市のDgS2店舗をその実証実験の場として先月からスタートしたもので、この試みの先に機能性表示食品をはじめとした健康を訴求する食品群の消費者への具体的なアプローチが見えてきそうだ。
今回、実証実験で取り組む食品群は、機能性表示食品や特定保健用食品、栄養機能食品の保健機能食品、健康食品などのヘルスケア食品、スマイルケア食品(介護食品)などを分類。機能性に関わる食品を、「目」「お腹」「鼻」「筋肉」「皮膚・粘膜」など身体の部位別にサポートするものや、「記憶力」「快眠・ストレス」「血圧」など、具体的なサポート内容を棚の前面に表記するなどして分類し手に取りやすい売場を演出、新たな需要の掘り起こしとともに、来店客の購買につなげていく。
11月から実証実験をスタートした店舗は、「フィットケア・エクスプレス センター南店」(カメガヤ)と、「ハックドラッグ港北東急S.C.店」(ウエルシア薬局)で、ともに地下鉄ブルーライン・センター南駅から徒歩数分の場所に立地する。
2店舗ともに、新たな棚割りを始めて1カ月あまりでもあり、機能性表示食品やスマイルケア食品に対する消費者の反応はそこまで高くない。棚上部のボードで機能性表示食品やトクホの説明はしているものの、それらの違いを理解している消費者は「ほとんどいない」(ハックドラッグ)という。
JACDSでは今回の棚提案で、「ナチュラルメディシンデータベース」の書籍を置くなどして、成分の機能性を知ってもらう場を設け、消費者への理解の底上げを図る。
現段階では、CMなどで宣伝をかける商材の目的買いが多く、店舗側ではそれらCMと棚割との相乗効果を期待する向きが強い。3カ月の実証実験による検証を経ての製販一体となった今後の取組みが注目される。
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JACDSでは、「食と健康」の新たなカテゴリーづくりにあたり、先月3日に横浜市都筑区で「つづき健康フェスタ」と題した健康イベントを開き、食と栄養に関する各種セミナーや、ロコモ対策としての筋肉トレーニング体操の指導・実演、血圧や体脂肪、肌年齢など自己チェックコーナーを設け、若年から年配層など幅広い層をカバーした健康への取組み方を提示した。同協会が今年策定した「次世代ドラッグストアビジョン」に基づく、DgSを地域のプラットフォームにするための活動の一環で、地域生活者の健康を解決するための各種方策を推進していく。
(取材協力:ヘルスブレイン)
【写真=実証実験する2店舗で配布される機能性食品のチラシ】