道バイオ産業 機能性食品など売上増 (2017.12.7)
北海道経済産業局が毎年まとめている「北海道バイオレポート2017」が先月24日発表された。2016(平成28)年度のバイオ産業全体の売上高(見込み)は過去最高となる638億円(対前年比8.1%増)で、機能性食品・化粧品、医療・医薬、研究支援などすべての分野で前年を上回る見込みだ。
調査は、道内に事業所・本社のあるバイオ企業125社を対象に今年3月にかけてアンケートし、115社から有効回答を得た。
分野別の売上高見込みは、機能性食品・化粧品が対前年比7.9%増の285億円、医療・医薬が同11.6%増の124億円、研究支援が同2.6%増の139億円、アグリバイオが同14%増の83億円、バイオ関連の研究機器・装置などの開発などを含むその他が3.9%増の6億円となる見通し。
経営状況については、黒字が継続及び赤字から黒字へ転換の「黒字企業」が、対前年比1.0ポイント増え、81.5%(88社)となり、昨年度に引き続き8割を超えた。黒字企業を分野別にみると、機能性食品・化粧品が53社、医療・医薬が13社、研究支援が8社、アグリバイオが6社となっている。また賃上げ実施の企業の割合は、70.5%(74社)となった。
役員を除く従業員数は、対前年比3.5%増(77人象)の2276人となり、4年連続で増加した。このうち研究開発に従事する従業員数は同4.7%増の623人(28人象)となった。男女別比率では、従業員の50.1%を女性が占め、全国及び北海道の全産業と比べても女性比率が高い結果となった。
研究開発投資額は、同9.9%増の32.8億円。投資額全体のうち、医療・医薬が59.8%、機能性食品・化粧品が27.7%で、この2分野で9割近く(28.7億円)を占めている。
経営上の課題では、どの分野でも「国内の新規顧客開拓」、「社内人材育成」を挙げる企業が多く、次いで「製品の開発」「生産の効率化」が続いている。