遺伝子組換検、現状維持で終局へ 来年1月にまとめ案提示 消費者庁(2017.12.18)


 消費者庁の「第7回遺伝子組換え表示制度に関する検討会」(座長・湯川剛一郎東京海洋大学教授)が18日に開かれ、「遺伝子組換え不分別」表示の是非、「遺伝子組換えでない」表示の要件について議論が行われた。今回の会合で各論点の議論を終え、来年1月31日に開かれる次回会合で、とりまとめ原案が消費者庁から提示される見通し。現行制度をほぼそのまま継続する方向になりそうだ。

 18日の会合では、「遺伝子組換え不分別」表示の是非、「遺伝子組換えでない」表示の要件について議論が行われた。

 特に最大の焦点ともいえる後者の非遺伝子組換え表示要件(意図せざる混入率は5%以下)に関して、消費者団体系委員などが5%の引き下げを求める一方で、日本スーパーマーケット協会の江口法生委員、食品産業センターの武石徹委員ら産業界系委員は、引き下げに伴う分別・検出が困難なこと、大幅なコスト増に繋がることなどから、現状維持を求めた。

 5%の引き下げについては、国立医薬品・食品衛生研究所の近藤一成委員の代理スタッフが出席し、検査サンプル数が膨大(数千個以上)になること、技術的に難しいが定性的分析(遺伝子組換え混入の是非)自体は可能であることなどを説明した。

 これらを踏まえて、遺伝子分析などが専門の今村知明委員(奈良県立医科大学教授)は、「そうなる(5%を引き下げる)と輸入トウモロコシはほぼ全て陽性(遺伝子組換え)の分析結果になる。非遺伝子組換え表示の商品が市場からなくなる」と述べ、5%を維持すべきとした。

 会合は傍聴席から声も上がり、やや荒れ気味の雰囲気もあったが、各論点の議論はほぼ終わり、湯川座長は「消費者庁がとりまとめてもらう」とした。来年1月31日の次回会合で、とりまとめ原案が提示される見通しで、現行制度をほぼ維持する形の案になる可能性がある。

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