消費者委、いわゆる健食「容認しない」 規制見直し巡り意見(2017.12.21)
消費者委員会は20日、厚生労働省が検討を進めている食品衛生法の改正を含めた食品衛生規制の見直しについて、意見を取りまとめた。前回今月13日の本会議で厚労省医薬・生活衛生局から検討状況をヒアリングしていた。厚労省は食中毒対策の強化からリスクコミュニケーションまで広範囲に検討している一方で、消費者委は今回、HACCPの制度化、健康食品による健康被害防止策、食品リコール情報の把握の3点に絞って意見を出した。
健康食品については、「リスクの高い成分」を含む食品を的確に把握するよう厚労省に要求。「事業者による原材料の安全性確保、製造管理等、健康被害を防止するための実効的な仕組みを構築」するとともに、健康被害が生じた場合の迅速な情報収集・分析、消費者への情報提供、事業者に対し適切な措置を取る体制を整備するよう求めている。
ただ、リスクの高い成分を含む健康食品に対する規制は、もともと厚労省としても取り組む方針を示していたもので、「意見」というよりも「確認」に近い。20日の本会議で委員の一人は、「(前回本会議での厚労省説明は)具体性に若干欠ける部分もあり、それについて具体的に意見を書くことは出来なかった」などと釈明した。
一方で、健康食品に関する意見の第2段落(第1段落は前述リスクの高い成分に関する記載)には、以下の記載がある。
「その前提として、関係法令に違反するようなものが、いわゆる『健康食品』として容認されるものではないことに留意すること」。
意味不明といえるが、これは前回本会議での委員発言を受けたもの。この委員は厚労省の説明を受け、「いわゆる健康食品の存在を認めているような感じで説明しているように感じる」と述べ、「そんなことはないですよね?」と厚労省に確認を求めていた。
そのため、この第2段落が意味するところは、リスクの高い成分を含む食品に対する規制強化は強く求める一方で、「いわゆる健康食品」の存在は認めない考えを消費者委として示したものといえる。前回本会議で前述の委員は、「(いわゆる)健康食品を淘汰」すべきだとする考えも述べていた。