生鮮魚で初の届出受理 生食用カンパチで中性脂肪低減(2018.1.11)


 機能性表示食品で初めて生鮮魚の届出が受理されたことが、10日に更新された消費者庁の届出データベースで分かった。生鮮食品では12件目(うち1件はすでに撤回)となる。生鮮食品のうち、EPA・DHAを機能性関与成分とするものは今回が初めて。これまではβ‐クリプトキサンチン、大豆イソフラボン、GABAに限られていた。

 受理されたのは、マルハニチロの「よかとと 薩摩カンパチどん」(生食用カンパチ皮無ブロック)。機能性関与成分はEPA・DHAで、ヘルスクレームは中性脂肪低減。内容量は200gで、EPA・DHA含有量は、1日当たり摂取目安量100gで860mg。安全性は喫食実績。機能性評価は研究レビューで行った。

 同社の届出情報によると、機能性関与成分量など品質管理については、有限会社奄美養魚で養殖されたカンパチを鹿児島県垂水市の漁業協同組合の加工場で、「Fish Analyzer」(脂質測定器)などを用いて脂質含量の測定などを実施。規格品の選別を行っているという。
 同社では小売や流通業者などと同製品の市場展開について検討を始めており、早ければ今月内にも方向性を出したい考えだ。

 魚関係の機能性表示食品は、缶詰や魚肉ソーセージなどの加工食品で、すでに多くの届出が行われているが、生鮮魚の届出は今回が初のケース。生鮮魚は機能性関与成分の含有量担保などが難しいため、届出は行われないとの見方が一般的だった。生鮮食品の届出件数は全体1200件あまりのうち11件と少なく、大部分は農産物のウンシュウミカンと大豆もやし。DHA・EPAを機能性関与成分にした生鮮魚で届出が受理されたことは、水産関係者に少なからぬ影響を与えそうだ。

 なお、鹿児島県ではマグロの機能性食品化に力を入れており、鹿児島水産技術センターでは、マグロ血合に含有するセレノネインを機能性関与成分とする加工食品のヒト試験を今年から開始する予定。

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