JACDS 「食と健康」実証実験終える (2018.2.8)
「食と健康」に関する新カテゴリー市場の創造に取り組む日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、その一環として昨年11月から横浜市内のドラッグストア(DgS)2店舗で進めていた実証実験を先月末に終えた。
需要創造のための新たな売場づくりや情報提供のあり方などを、来店客に分かりやすい棚割りや表示を通じて検証したもので、健康食品や介護食品の売上高が前年同月比で全体的に増加傾向を示すなど一定の成果がみられた一方で、課題も見つかった。
JACDSは今後、実証実験結果の詳細について報告書をまとめ、課題の改善に取り組んだうえで、規模を拡大しながら実証実験を続ける計画。これは、近く協会内に立ち上げる「ドラッグストア成長戦略プロジェクト」を通じて行う予定で、電子タグ(RFID)の業界導入の可能性などを探る研究と同時並行で、複数の大手企業を含めた会員企業とともに取り組む方向にある。これにより、将来的には全店での販売強化を目指す。
JACDSは、従来商品との「トレードオフ」の関係に陥りやすい食品形状を中心にした既存の健康志向食品ではなく、サプリメント形状の保健機能食品をはじめプロテインなどのヘルスケア食品のほか、介護食品など「機能性を得るために購入し使用する食品」を、食と健康に関する新カテゴリーと定義。表示などでの情報提供を通じ、その適切な商品選択と使用方法を普及啓発することで、需要が顕在化され、新市場を創出できるとみる。
昨年11月から横浜市都筑区内の2店舗で行った実証実験では、サプリメント形状を中心にした機能性表示食品などの機能性食品、プロテイン、介護食品で構成した棚を店舗に導入。機能性表示食品については「目サポート」や「記憶力サポート」など、機能別・目的別の棚割りを行い、消費者に分かりやすい機能性表示のあり方を検証した。
ただ、機能性表示食品は届出件数が1200件を超えたとはいえ、サプリメント形状の届出に店頭販売向け製品が少ないこともあり、商品構成に苦慮したという。