厚労省 中国産蜂の子に検査命令 (2018.2.8)
厚生労働省は1日、中国産蜂の子を輸入する全ての企業に対し、輸入届出ごとに全ロット検査を義務づける命令を食品衛生法に基づき行い、発表した。中国産蜂の子の輸入時の自主検査で、農薬に使われる抗生物質のオキシテトラサイクリンが相次いで検出されたことを受けた措置。
厚労省輸入食品安全対策室によると、昨年9月、山田養蜂場が中国から輸入した蜂の子パウダーから0.02ppmが検出。今年1月にも、山宏実業が山田養蜂場とは別の中国企業から輸入した蜂の子パウダーから0.06ppmが検出され、2回にわたり違反が認められたため検査命令を出した。ただ、オキシテトラサイクリンの許容1日摂取量は体重1㌔㌘あたり1日0.03㍉㌘で、健康に及ぼす影響はないと考えられる。
日本ではオキシテトラサイクリンの残留基準値について、ハチミツに関しては0.3ppmと定めている。一方、蜂の子についてはそうした基準を設定しておらず、検出されただけで違反となる。
厚労省は、登録検査機関の検査受託体制が整うまでの間については輸入者自らが全ロット検査を実施するよう指導。また、オキシテトラサイクリンを含有しないことが確認できるまでは、国内流通を事実上禁じる措置を取った。
中国産蜂の子を輸入する企業の一部では、昨年末ごろから自主検査を強化しており、「リードタイムが従来よりも大幅に長くなり、供給がタイトになっている」と話す。検査命令が解除されるまでそうした状態の続く可能性が考えられ、供給を受ける最終製品販売会社にとっても痛手になりそうだ。
輸入食品安全対策室によると、中国産蜂の子の2016年度輸入実績は31㌧。オキシテトラサイクリンに関して5回のモニタリング検査を行ったが、違反件数はゼロだったという。