京都栄養化学 ジェヌインR&Dに事業継承 新会社として再スタート(2018.2.8)
昨年末に京都地方裁判所から民事再生開始決定を受けていた健康食品受託製造の京都栄養化学研究所は1日、サプリメント・化粧品原料開発のジェヌインR&D(福岡県糟屋郡)に事業継承し、ジェヌインR&Dに商号変更を行った。明治41年に創業、100年以上の歴史を誇る老舗健康食品製造企業の名称は消滅することになったが、平田清嗣前社長は「民事再生手続きから離脱し、正常な状態で新会社のもと事業を継続・再スタートさせることが可能になった」とホームページで伝えている。
ジェヌインR&Dは、京都栄養の健康食品受託製造事業など基幹事業の全てと、従業員の全てを引き継いだ。同社は「天然ヒト型セラミド」などサプリメント・化粧品原材料を開発、販売しており、今回の事業継承に伴い、最終製品の製造機能を新たに保有することになる。
京都栄養は09年、「けいはんな学研都市」に新工場も竣工させていた。ジェヌインでは今後、原材料供給とともに最終製品OEMなどを手掛けていきたい考え。
ジェヌインは2010年11月設立。代表取締役は宮鍋征克氏が務める。
京都栄養は、信用を保全したまま素早い事業再生を目指せるプレパッケージ型民事再生を申請していた模様で、申請時点でスポンサー企業としてジェヌインが決まっていた。スポンサー企業をめぐっては当初、「ロート製薬の子会社」との話も聞こえていたが、ジェヌインの株式のうち32%はロート製薬が保有しているものの、子会社ではない。ただ、今回の事業継承は、ここにきてロート製薬が力を入れている、ヘルスケア食品をめぐる今後の動向に関わる可能性も考えられる。