JADAが〝委員長中間報告〟 (2018.4.26)
食品・サプリメントなどの反ドーピング認証のあり方を検討している日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の有識者会議は12日、「委員長総括中間報告」を発表した。「議論の対象が広範かつ多様な専門的事項に及ぶ」ことから、とりまとめを延期。議論を継続するとした。また「サプリメント認証制度検証有識者会議」を「サプリメント認証枠組み検証有識者会議」に改称することも発表した。
JADAでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、反ドーピング認証を国際スタンダードに合わせるべく、昨年9月に「サプリメント認証制度検証有識者会議」(座長・境田正樹弁護士)を設置し、JADAが実施している反ドーピング認証(JADAマーク)を分離することを前提に、議論を続けていた。当初は2月末のとりまとめを予定していた。
海外ではWADA(世界アンチ・ドーピング機構)が示す利益相反の原則に従って、ほとんどの国が、食品・サプリメントの反ドーピング認証をアンチ・ドーピング機関から分離しており、民間の第三者機関などが担っている。一方、日本ではドーピング違反の事例が海外に比べ極端に少ないことから、これまでJADA自身が認証業務を行っている。
有識者会議のこれまでの議論では、JADAの認証業務は廃止するが、新たに第三者委員会によってガイドラインを策定し、事業者、民間認証機関などがこれに準拠する案が浮上している。
しかし、ガイドラインの具体的中身の策定や運営体制の整備には時間がかかるため、有識者会議では、とりまとめ時期を延期し、議論を継続することとした。とりまとめ時期は、反ドーピング法案の施行時期に合わせて、今秋になるとの見方が有力になっている。
ガイドラインは欧米の食品・サプリメントの反ドーピング認証の要件とほぼ同水準になるものと思われる。また、議員連盟による反ドーピング法案が国会に提出される見通しだが、同法案に基づいて政府がガイドラインの準拠を事業者に求めてくる可能性もある。