セルフケア基本法 OTC協が制定目指す  今年度から検討開始 重点取組項目に設定
(2018.5.21)


 日本OTC医薬品協の会長職を任期途中で退任した杉本雅史氏(前武田コンシューマーヘルスケア社長)の後任として先月会長に就任した佐藤誠一氏(佐藤製薬社長)は21日、就任後初の記者会見を都内で開き、協会の今年度事業活動計画のうち重点活動項目について説明した。セルフメディケーションやセルフケアに関する「基本法」の制定に向けた調査研究を今年度から始める。


 OTC協の今年度重点活動項目は、セルフメディケーション税制の普及啓発と活用推進▽スイッチOTC医薬品の拡充およびOTC医薬品製造販売承認基準の改正・新規制定への支援▽OTC医薬品等の適正ガイドラインの改訂──など計8項目。この中で「国民の健康自助努力推進奨励基本法(仮称)」の制定に向けた調査研究の推進を掲げた。


 この基本法構想について佐藤会長は、「簡単にいえば、セルフメディケーションやセルフケアの理念を定めた法律をつくってもらおうという要望」だと述べ、今後関係各所へ働きかけを行う考えを示した。また、こうした基本法が制定される意義について「国民一人ひとりが自分の健康に関心をもち、健康維持・増進に取り組むことが国民の義務となる。義務が明確になることで、健康寿命延伸につながる」などと述べた。


 協会幹部は会見の中で、医療関係の基本法には現在、がん対策基本法、肝炎対策基本法、アルコール健康障害対策基本法などがあるとし、「これら全てに国民の責務が定められている」と説明した。


 また、同じ協会幹部は会見で、基本法は健康増進に基づく「健康日本21(第二次)」の後継的役割を担う法律として機能させたい考えを示唆。記者から基本法制定時期の目途について問われ、「一つのターゲットとして、健康日本21(第2次)が終了する平成34年4月以降を支えるような基本法ができるイメージ」などと述べた。


 別の協会幹部は会見後、基本法の制定は、OTC医薬品周辺のヘルスケア関連業界とも連携しながら目指したい考えを示した。その中に健康食品業界が含まれるかどうかについてはコメントしなかった。


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