スマホの打消し表示 健食、約8割で見落とし 消費者庁報告書 (2018.5.24)


 消費者庁は16日、「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」を公表した。健康食品分野では、Webアンケート調査の回答1000件のうち、68~81%が打消し表示を見落としているとした。消費者庁では昨年7月14日に「打消し表示に関する実態調査報告書」を公表しているが、同調査はテレビ、紙媒体などが対象で、今回は近年、急速に増加しているスマートフォンの商品・サービス表示を対象としたもの。

 調査は、設置した有識者による研究会(座長・糸田省吾・全国公正取引協議会連合会会長代行)が主体になって実施した。打消し表示が含まれる仮想のスマートフォンWebページを5点(健康食品、健康飲料、オンライン英会話、健康器具)を制作し、同Webページに関して、2017年10月2日から18年2月28日まで、Web上でのアンケート調査およびグループインタビュー(対象12名)調査を行った。アンケートは1000件の回答が得られた。

 その結果、健康食品の仮想Webページでは、各強調表示に気付いた者のうち、68.2%~81.3%が、それぞれの強調表示に対する打消し表示を見落としていたという。

 また、強調表示に気付いて注文画面に移動(コンバージョンボタンをタップ)した者のうち79.3%~86.8%が、それぞれの強調表示に対する打消し表示を見落としていたとしている。打消し表示の「読みにくさを感じた点」では、41%~49%が「文字が小さい」ことを挙げた。

 また、健康飲料商品の成分に関する試験内容の表示では、回答者1000人のうち63.5%が、打消し表示を見ても正しく理解していないことが分かったとしている。

 調査結果を踏まえて消費者庁では、スマートフォンでも強調表示と打消し表示が一体的に消費者に認識されなければ、景品表示法で問題になる可能性があると指摘。強調表示の隣接箇所に打消し表示を表示したり、強調表示と同じ文脈中に打消し表示を表示することなどを事業者に求めるとした。

 今後は調査報告書を踏まえて、スマートフォン表示も「厳正に対処する」としている。



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