消費者庁 特別用途食品 乳児用液体ミルクで許可基準案 (2018.5.24)


 消費者庁は、母乳の代わりになる乳児用液体ミルクを特別用途食品に認めるための許可基準案を15日までにまとめた。近く、パブリックコメントを行い、今秋までを目途に、乳児用液体ミルクを特別用途食品に追加する消費者庁告示と施行通知を発出する予定。早ければ年内にも、企業からの許可申請を受け付けられるようにする。

 厚生労働省でも今夏を目途に、乳児用液体ミルクの規格基準を追加した食品衛生法に基づく「乳等省令」の改正を行う方針。消費者庁と厚労省が連携し、乳児用液体ミルクの国内製造販売の事実上の解禁に向けて動いている。

 液体ミルクは粉ミルクと比べて利便性が高く、海外では広く普及している。しかし日本は事情が異なり、乳等省令では粉ミルクの規格基準は設けていた一方で、液体ミルクに関してはなかった。特別用途食品についても、許可基準は粉ミルクにとどまっていた。そのため日本国内では事実上製造販売ができず、流通していなかった。

 そのような中で、乳児用液体ミルクは災害時における活用や、育児負担の軽減が期待できることもあり、最近になり消費者から解禁を求める声が大きくなっていた。これを受けて政府は、策定した「女性活躍加速のための重点方針2017」「男女共同参画・女性活躍の推進に向けた重点取組事項」を通じ、乳児用液体ミルクの普及実現に向けて取り組むことにしていた。

 乳児用液体ミルクの特別用途食品の申請は、すでに製造販売実績を持つ海外企業が先行する可能性がある。粉末ミルクのみを製造販売してきた日本の企業は、商品開発や安全性試験から始める必要がある。


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