トクホ、情報公開拡充へ 消費者庁調査事業 全品DB掲載を提言(2018.5.31)
国立健康・栄養研究所のデータベースを通じた特定保健用食品(トクホ)の製品情報公開が進むことになりそうだ。
消費者庁は30日、トクホに関する「安全性・有効性に係る情報公開の拡充に向けた調査事業」の報告書を公開した。報告書では、販売中トクホ全品の製品情報をデータベースに掲載するよう提言。また、掲載情報についても、専門家と一般消費者の双方で有効活用できるよう、現状よりも拡充させることなどを提言している。
この調査事業は、トクホの製品情報を掲載している国立栄研のデータベースについて、掲載情報の追加、修正を図るための基礎資料を得る目的で、同庁が昨年度に実施したもの。
背景には、消費者委員会が昨年1月に公表した、健康食品の表示広告の適正化やトクホの制度運用の見直しに向けた「建議」の中で、トクホの製品情報公開を「義務化」し、公開情報の内容充実を図るよう求めていたこともある。
調査を実施したのは同庁の委託を受けたインテージリサーチ。国立栄研の石見佳子氏や梅垣敬三氏、日本栄養士会の迫和子氏ら有識者で構成する検討委員会を設置し、報告書を取りまとめた。
国立栄研の現行のトクホデータベースは、もともと専門家を念頭に作成された。そのため、報告書では、「一般消費者の認知が低い」と指摘。また、専門家の認知度にしても「半数程度」にとどまるとしている。