新たな食事摂取基準の策定方針を決定 厚労省 フレイルを対象に追加 未設定の栄養素も(2018.5.31)
厚生労働省は31日、「日本人の食事摂取基準策定検討会」(座長・伊藤貞嘉・東北大学大学院医学系研究科教授)の第2回会合を開催し、2020年版食事摂取基準の策定方針を決定した。
決定された策定方針は次の通り。
まず基準の対象者は、現行の15年版食事摂取基準と同じ、健常者から保健指導レベルまでとするが、新たに高齢者のフレイルも加える。フレイルに関する世界的な統一概念はないものの、日本老年医学会の見解を参考に、健常状態と要介護状態の中間としてフレイルを位置付け、予防のための目標量を検討する。
また、必須アミノ酸、トランス脂肪酸、コレステロール、糖類など、諸外国で基準が設定されているが、日本では設定されていない栄養素について、基準策定を検討する。具体的な栄養素は、今後設置されるWG(ワーキンググループ)などで検討される見込みだ。
生活習慣病の予防を目的とした目標量については、新たに「発症予防」と「重症化予防」の二つに分けて目標量を設定する。
さらに、50歳以上の年齢区分を従来の①50~69歳②70歳以上―から、①50~64歳②65~74歳③75歳以上―に再区分する。高齢者については、個人差に対応するため、年齢以外の指標として、体重、ADL(日常生活動作)、認知機能別などでも摂取基準を設定する。
2020年版は高齢者対策に重点が置かれるが、31日の会合では、若年女性の「痩せ」問題や子供の貧困化などにも対応していくことを決めた。
今後は、課題別にWGを設置して検討を進める予定で、検討会自体は10月頃に開催し、検討状況の確認などを行う方針だ。