食衛法改正案 衆院でようやく審議スタート 参院は可決 異例の先議 (2018.6.7)
食衛法改正案(食品衛生法等の一部を改正する法律案)の衆議院での審議がようやくスタートした。
衆院厚生労働委員会は1日、加藤勝信厚労大臣が食衛法改正案の主旨説明を行い、4月13日の参議院可決以来、約1カ月半を経て、国会で同法案が審議される見通しとなった。
15年ぶりの改正となる食衛法改正案は、異例の参院先議の形で国会審議がスタートした。異例の方策を採った背景には、食衛法改正案の重要性もさることながら、与党・政府が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案の国会審議が長引くことが予想されたからであろう。
このため、食衛法改正案を先に参院で可決させ、衆議院での審議日程を確保する必要があったと思われる。食衛法改正案は与野党の対立案件になっていないため、審議日程さえ確保できれば成立はほぼ確実といえる。
参院では食衛法改正案に対し、厚生労働委員会が8項目の附帯決議を可決している。これには健康食品の広告表示のあり方に関する適切な措置の検討などが盛り込まれている。附帯決議に法的拘束力はないが、政府はこれを尊重しなければならない。今回の内容は、健康食品に対して、国会議員もそれなりに関心が高いということを表しているといえよう。
1日に主旨説明を行ったことで、今国会での食衛法改正案の成立は濃厚になったが、「指定成分」の具体的検討など、健食業界にとって、むしろ本番は法案成立後と言えそうだ。
【写真=食衛法改正案は4月13日の参議院本会議で可決された(参議院インターネット中継より)】