どちらが「一般薬連」?  団体分裂で会長2人、HPも2つ(2018.6.21)


 一般用医薬品業界で前代未聞の事態が起きている。日本OTC医薬品協会や日本漢方生薬製剤協会など業界5団体で構成される「日本一般用医薬品連合会」(一般薬連)が5月末以降、会長人事を巡るとされるいざこざで2つに分裂。双方とも「一般薬連」を名乗っているため、20日現在、会長が2人存在し、事務所やホームページも2つある異常事態になっている。


 2つの一般薬連を便宜上「一般薬連A」、「同B」と仮称すると、Aの会長は柴田仁・大幸薬品会長、Bは三輪芳弘・興和社長。三輪氏は2016年6月に会長に就任しており、いわば三輪派に反旗を翻す形で柴田派が立ち上がった格好のようだ。業界専門紙「日刊薬業」によると、会長任期を迎える今年5月末以降も続投したい三輪氏と、三輪氏の組織運営に異を唱える一般薬連傘下5団体代表が次期会長を巡り衝突したらしい。


 対立は泥沼化しそうな様相も呈している。三輪氏の一般薬連Bでは、同Aの理事長(同Bでは『前理事長』と呼称)である黒川達夫・元厚生労働省審議官を名指しで批判。ホームページ(http://ippanyakuren.com)の「会長挨拶」で、一般薬連の理念であるセルフメディケーション推進による産業育成に「(黒川氏は)賛同せず、また深刻な利益相反を抱えていたため、職務を全く果たしていなかった」と断じた。


 その上で、「これに乗じ、一般薬連を従来型の守旧型業界団体として支配運営したい一部の方々が、さまざまな動きを見せている」として黒川氏を擁す一般薬連Aを非難。さらに、黒川氏名義で一般薬連傘下5団体事務局に送信されたメールの内容を公開し、「柴田氏らグループの恫喝」が行われているとまで訴える。


 一方、一般薬連Aのホームページ(http://www.jfsmi.jp)では、一般薬連の会長は柴田氏であることをアピール。「会長挨拶」では、一般薬連Bの言い分をうち消すかのように、「セルフメディケーションやセルフケアの普及と推進に構成5協会がそれぞれの特徴を生かしながら連携して取り組む」などとしている。


 一般薬連Aは三輪氏を「前会長」と称し、「現在資格停止中」の扱いとしている。日刊薬業によると、三輪氏は訴訟を起こす考えも示唆しているという。



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