γ‐オリザノール 米国でGRAS認定 オリザ油化が取得 (2018.6.21)


 オリザ油化が製造販売している「γ‐オリザノール」が米国でGRAS(一般に安全と認められる食品)の認定を受けた。今後、米国で一般食品にも配合できるようになる。現段階では自己認証型のGRASだが、近く、いわゆる「FDAGRAS」のステータスも得られる見通し。7日に発表した。

 γ‐オリザノールは1954年に米ぬか油や米胚芽油から日本で初めて分離、抽出された機能性成分だが、日本では食薬区分の規制を受けて食品として販売できない(食品添加物=酸化防止剤としては販売可能)。一方、米国にそうした規制はなく、オリザ油化は30年近く前から米国でサプリメント原材料として販売していた。同社の調べによれば、γ‐オリザノールでGRAS認定を受けたのは今回が初。

 同社は今後、米国で販売する際の製品名を「ORYZA GAMMAX」(米国登録商標)に刷新し、米国で販売されている他社のγ‐オリザノールと明確に差別化する。オリザ油化のγ‐オリザノールは、「使用する原料、加工助剤、製造方法、品質規格に厳格な基準がある」としている。

 自己認証型GRASは、米国内で十分な科学的訓練と経験を積んだ食品安全の専門家によって評価、認証されるもの。これを米FDAに届け出て、受理されることで、「FDA GRAS」となる。

 GRASの実質効力は米国内に限られる。ただ食品としての安全性が認められたことは、今後、日本にも影響を与える可能性がある。政府が15日に閣議決定した規制改革実施計画に、機能性表示食品の対象拡大に絡む「食薬区分の運用見直し」が盛り込まれたからだ。今後、「専ら医薬品」とされている成分の一部が限定的に機能性関与成分として届出可能になる見通しで、生鮮食品に近い玄米や米油にも含まれるγ‐オリザノールは、その筆頭候補成分ともみられている。

 「このタイミングでのGRAS認定は偶然」と同社。「γ‐オリザノールは単一化合物でないこともあり、認定までに数年かかった」と言う。安全性の観点からγ‐オリザノールの機能性関与成分該当性を検討する際、今回のGRAS認定を無視することはできないといえそうだ。




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