キリンHD 米サプリ製造販売会社に出資 (2018.7.12)


 キリンホールディングスは9日、米国のサプリメント開発・製造・販売会社「ソーンリサーチ」(本社ニューヨーク州・サウスカロライナ州)に出資すると発表した。昨年11月にソーン社に出資していた三井物産と共同で第三者割当増資を引き受け、約40%ずつ、2社合わせて約80%の株式を取得する。増資手続きの完了は今年10月ごろの予定という。

 出資額は2社合計で140億円前後となるようだ。ソーン社の株式取得後、キリンHDは三井物産と共同で、疾病の予防や日常の体調管理など、「ヘルスケア(健康)領域」での取り組みを国内外で強化していく計画だ。

 具体的な検討はこれからとなるが、三井物産と共に、ソーン社が手掛ける「豊富なエビデンスに裏付けられた高機能サプリメント」(両者プレスリリースより)を日本市場で販売することも視野に入れている。逆に、キリンの「プラズマ乳酸菌」やグループの協和発酵バイオが手掛けるサプリメントなどを、ソーン社の販売チャネルを活用し、米国で販売展開していく可能性も予想できそうだ。

 キリンHDによると、ソーン社の売上高は約100億円。医療従事者を介したサプリメント販売のほか、家庭用検査キットを使った「個別化栄養」のソリューション提供の仕組みづくりを進めており、米国の大手総合病院「メイヨー・クリニック」との間で、コンテンツ使用や研究に関する協働関係を構築しているという。

 一方、三井物産は中期経営計画で「ニュートリション・アグリカルチャー」を成長分野の一角と位置付け、このうちヒューマンニュートリション領域については「エビデンスの裏付けがあり、消費者に個別化した未病対策ソリューション事業」の構築を進めており、キリンHDに先行する形で昨年11月、ソーン社に約10億円を出資している。

 ソーン社のホームページによると、少なくとも195アイテム以上のサプリメントを製造販売しているようだ。



Clip to Evernote

ページトップ