「容易に太れる」表示で優良誤認 消費者庁が措置命令、「お詫び社告」の通販企業に
(2018.7.26)


 「ファティーボ」と称した食品を摂取すると「容易に太れる」と誤認させる表示を行っていたとして先週、日刊紙に「お詫び社告」を掲載していた通信販売業のLife Leaf(東京都港区)に対し、消費者庁は7月25日、当該表示は景品表示法違反(優良誤認)に当るとして再発防止を求める措置命令を行い、発表した。課徴金納付命令を下すことも検討している。 
 これまで、健康食品関連の優良誤認表示は主に痩身効果に関して認定されており、肥満効果表示で処分されるのは極めて異例。同庁では、「消費者庁発足以来、初のケース」としている。


 同庁が優良誤認を認定したのは、同社が自社ウェブサイトなどで昨年4月3日から今年3月26日までの間、同品について行っていた「太れない体質だとあきらめたくない!」「女性らしい美ボディに! 健康的にふっくらしたい」「3カ月で5・1㌔㌘増えた『7つの秘訣』プレゼント!」──といった表示。同庁によると、同社は表示の裏付けとなる合理的根拠を示す資料を同庁に提出したものの、合理的な根拠を示すものとは認められなかったという。


 同庁はこれら表示について「あたかも、本件商品を摂取することにより、容易に肥満効果が得られるかのように示す表示」だとして優良誤認を認定。同社も7月19日付の日本経済新聞朝刊など日刊紙2紙に掲載した社告で、これら表示は「容易に肥満効果が得られると過度に期待を抱かせる表示」だったと謝罪していた。


 景表法に基づく措置命令では通常、景表法違反表示を行っていた旨の一般消費者への周知徹底も求められるが、今回、同庁は求めなかった。同社が優良誤認表示を行っていたことを事実上認める社告を掲載しているため、措置済みと判断した模様だ。本件調査を担当した同庁表示対策課食品表示対策室は、措置命令前の社告掲載は「(同社が)自主的に行ったもの」だとし、掲載を同社に命じたことを否定している。


 なお、同社はファティーボの自社販売サイトで、「太れない人の腸内には『痩せる細菌』が多い」としたうえで、同品には「痩せ菌ブロック酵素」なるものが含まれるかのようにアピールしていた。


Clip to Evernote

ページトップ