ファンケル 業績予想を上方修正 75億増の1220億円に引き上げ(2018.8.9)


 ファンケルは、2019年3月期の連結業績を上方修正した。化粧品、サプリメント事業の好調に加え、インバウンド需要が想定を大幅に上回ったことから、4月下旬に発表した業績予想の売上高を1145億円から75億円上乗せした1220億円に引き上げた。営業利益は95億円から122億円に、純利益も66億円から84億円に修正した。同社が7月30日発表した。

下期にマーケ費15億円追加
 同社では、下期もインバウンド需要が高水準に推移することが見込まれることや、国内売上も好調に推移していることから通期業績を上方修正した。また、来期以降の成長をより引き上げるため、下期にマーケティング費用として15億円規模の追加投資を実施する。また、業績予想の上方修正には好調に伴う賞与の増額なども織り込んでいるという。

 同日発表した19年3月期・第1半期決算は、売上高が対前年比19.0%増の307億9900万円だった。営業利益は、宅配運賃の値上げなど物流コストの上昇や、店舗契約社員の正社員化など人件費の増加はあったものの増収効果などにより、同269.2%増の44億8700万円となった。

 サプリ事業の概況は、「えんきん」「カロリミット」に次ぐスター製品候補として育てている「内脂サポート」「ディープチャージ コラーゲン」「年代別サプリメント」などが好調に推移し、同31.2%増の110億2200万円の増収となった。営業利益は、増収効果による売上総利益の増加などにより14億4300万円(昨年同期は2億5700万円の営業損失)を計上した。

 同事業の販売チャネル別の売上では、通販、店販、卸、海外のすべての部門で対前年を上回った。
 特に伸び率が顕著なチャネルは店販で、昨年は22億4900万円だったが、同期では71.7%伸長し38億6200万円と大きく売上を引き上げた。この売上数字は、同社が主要チャネルとしてきた通販の35億600万円を上回ったことになる。「インバウンドの影響が強く出た。稀なケースといえる」(広報グループ)としている。同社は先月開催のメディア向け懇親会において、池森賢二会長がインバウンドの伸びが著しいことや、化粧品以上にサプリが伸びている業況を明かしていた。


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