消費者庁 19年度予算・機構定員要求 「保健表示室長」再要求 (2018.9.6)
消費者庁は2019年度の予算概算および機構定員要求をまとめ、8月30日公表した。一般会計は昨年度予算額比25.9億円増の145.3億円、そのうち食品表示対策推進関連は1億200万円増の2億9500万円を要求した。機構定員では2年前に求めたものの認められなかった「食品表示企画課保健表示室長」の新設を再び要求。機能性表示食品など保健機能食品の業務に充てたい考えだ。
来年度の施策の大枠として、今年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2018」などをもとに、政策課題に対応した消費者行政を充実・強化するとともに、消費者庁の体制基盤の整備などを実行する方針。
それら体制強化策として、地方の消費生活相談窓口の整備や、消費生活相談員資格の取得促進など地域体制の強化などを図るために、地方消費者行政強化交付金として40億円を計上した。
食品表示関連では、食品表示制度の適正な運用を確保するために、販売される食品の表示の監視に必要な遺伝子組換え食品やアレルギー物質を含む食品の検査法の開発など調査研究などの取組みに5600万円の内数を計上した。また、加工食品の新たな原料原産地表示制度の普及・啓発のための取組みに8500万円の内数を当てる。このほか保健機能食品などの買上調査への取組みなどを含めた食品表示対策の推進にかかる総額として、昨年度予算額比1200万円増の2億9500万円を求めている。
体制基盤の整備については、5年毎に更新する全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO‐NET)の刷新に向け、AIなどの導入も含めた次期システムの設計・開発などを行うために、国民生活センターの運営費交付金として34.1億円の内数を要求した。
新規の要求では、日本がG20の議長国を務める2019年内に「消費者サミット」を開催するための、国際的な消費者被害の未然・拡大防止、効果的な消費者施策の立案などに1億1500万円。消費者事故の再発防止策を消費者に浸透させるための心理学者や安全学関係者などによる研究などで600万円を求めた。
定員要求では、消費者教育推進担当8名、原料原産地表示監視担当2名など計26名の増員を求めた。うち、2名の増員を要求した食品表示制度企画立案担当は、トクホなどの対応に充てる。