中国越境EC 規制、猶予期間を延長 (2018.12.6)
ジェトロ(日本貿易振興機構)は11月26日公表の「ビジネス短信」で、中国の国務院常務会議が、越境ECの新たな規制適用の猶予期間を2019年1月以降も継続することを決定したと報じた。
短信によると、中国国務院は11月21日に常務会議を開き、越境ECの新規制適用の猶予延長を19年1月1日以降も続けること、保税区モデルの実施猶予の対象都市を越境EC総合試験区(8月創設)の22都市に拡大すること、越境ECによる1人当たりの取引限度額を1回2000元から5000元に、年間では2万元から2万6000元に拡大することなどを決めたという。
一方で、常務会議では越境ECサイトなどを運営するEコマース企業や決済関係企業、物流業者などに対して、クレーム処理や返品対応、商品のトレーサビリティなどに関する責任強化の決定も行ったという。
ジェトロによると、越境ECの新規制は2016年4月に施行され、商品の通関証明書の提出義務付けほか、化粧品、粉ミルク、医療機器、特殊食品など「指定商品」に関して、初回輸入時に許可証、登録、届出などを義務付けるというもの。健康食品も指定商品に該当するものとみられる。
しかし、実務上の対応が困難との理由から、政府当局では、新規制の適用猶予の措置を数次にわたって行っており、直近では18年末まで猶予期間が延長されている。今回の適用猶予の延長措置は期限が設けられていないという。
またジェトロは11月13日公表の「ビジネス短信」で、中国の国家薬品監督管理局が消費者の需要が高い一般化粧品の輸入に関して、審査制から届出制に変更することを11月9日付けで公告したと報じた。
それによると、中国では化粧品の輸入に関して、初回輸入時に審査が行われており、許可を得るまで約3カ月程度かかっていたという。届出制により、外国企業は国家薬品監督管理局のウェブサイトを使って届出を行うことが可能になり、手続きは5営業日程度に短縮できる見込みだという。届出制については、昨年3月から上海浦東新区や自由貿易試験区などで先行実施されていた。
中国規制当局の商品分類では、一般化粧品とは、育毛、ヘアカラー、パーマ、脱毛、バスト美容、シェイプアップ、消臭、シミ取り、日焼け止めなど9種類の特殊用途化粧品を除く化粧品となっている。