「粗悪品問題など解決狙い」 日健栄協・プラセンタ食品説明会(2014.2.6)


 日本健康・栄養食品協会が1月23日に都内で開催したプラセンタ食品規格基準(JHFA規格基準)の説明会に、約160名が参加した。報道関係者などを含めると180名近くに達しており、日健栄協によれば、規格基準説明会では異例の参加人数だった。

 説明会では、同規格を取りまとめたプラセンタ専門部会の大石真巳部会長(スノーデン執行役員)ら部会メンバーのほか健康食品規格基準検討会の中澤裕之座長(星薬科大学名誉教授)が、規格の設定背景や考え方などを解説し、規格の狙いとしては、プラセンタ食品の人気拡大に伴い「プラセンタエキスの濃度や純度、他の臓器の混入などさまざまな問題が起きてきた」状況を解決することがあり、「粗悪品が市場に出回っているという現実に対し、それをどう見抜いていくかの検討に時間を割いた」(中澤座長)と話した。

 説明によれば、現在流通しているプラセンタエキスを巡り、専門部会が問題視した点は主に次の通り。

 ①表示上のプラセンタエキスの量を多く見せかけるなどする濃度の問題②アミノ酸などを添加して総窒素量とエキス末を増やす純度の問題③子宮など胎盤以外の他臓器混入の問題④胎盤とは全く異なるものと言えるが、植物の胎座も「Placenta」と学問上は呼ばれる名称と定義の問題──。

 大石部会長は①についてコーヒー豆を引き合いに出し「10㌘のコーヒー豆から液体のコーヒーを150㌘つくり、このコーヒーを粉末化して2㌘の粉が出来たとする。実際にコーヒー(の粉)を2㌘使った時、そう表示するよりも(液体としての)150㌘使ったと言った方が、なんとなく沢山使ったように見える」とし、プラセンタにおいても、「(エキスから得られる)粉末の量よりも、液体であるとか元の原体(胎盤)の量を表示している。量の多い方で表示している」ケースが目立つと指摘。また、専門部会で市販の191製品を調べたところ、「あまりにも薄すぎる商品があった」と述べ、水の量を増やすなどすればプラセンタエキスの量を増やすことは容易だとし、「液体の量と粉末の量が100倍以上違う時は原料としておかしいのではないか」とコメント。このため、「消費者が商品を求める際に最も公正に比較検討できる」指標として、プラセンタエキス純末の量を必ず表示するよう規格したと話した。

JHFAマーク申請好調 取得件数10件超も間もなく

 プラセンタ食品のJHFA(認定健康食品)マーク取得申請件数が伸びている。
 これまでに3製品が認定を受けていた中で、1月末に開かれた審査会では一気に8製品を審議した。日本健康・栄養食品協会によれば、ほかにもマーク取得を視野に入れた問い合わせなどが複数入っているという。JHFAマークをめぐっては、消費者認知度がネックとなり、規格基準が出来るのは歓迎してもマークを取ろうという動きは少なかった中で、異例の状況と言えそうだ。

 プラセンタ食品のJHFA規格基準は昨年9月20日に公示さればかりの最新規格。これまでにマークを取得したのは「ディアドール インナーライフ」(㈱クレフ)、「同インナービューティー」(同)、「プラセンタカプセルMD」(㈱ユニバーサルトランセンドプランニング)。

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