「機能性」の事務連絡 対応方針 4団体で連携 (2019.2.7)


 消費者庁が昨年10月25日付で健康食品事業者団体に発出していた機能性表示食品制度に関する事務連絡について、健康食品産業協議会、日本通信販売協会、日本健康・栄養食品協会、日本抗加齢協会の4団体は、事務連絡への対応方針を協議し、各団体で統一した考え方を取りまとめ、1月31日に公表した。

 考え方は、産業協議会や通販協、日健栄協のウェブサイトで全文を確認できる。事務連絡は、機能性表示食品の届出後の「安全性・機能性の担保」「健康被害の未然防止・拡大防止」に関し、これまで以上に自主的な取り組みを事業者団体に求めたもの。事業者全体にも周知する目的で、消費者庁は事務連絡の全文を同庁のウェブサイトで公開している。

 事務連絡に対する取組方針をまとめた事業者団体4団体は、各届出企業に対し、「事務連絡の主旨を理解のうえ、適切な届出資料の作成と届出後における取組をより一層強化」するよう求めている。

 一方、事務連絡では、特に中小企業届出者の届出後分析実施状況を事業者団体で取りまとめ、団体のウェブサイトで公開する仕組みの検討を求めていたが、4団体は考え方で、「情報公開のサポートを業界としてもできるよう、事業者団体でも公開ツールの設定などを検討する」と説明するにとどめた。

 ただし、4団体は、届出後の分析結果の公開自体は「制度への信頼性確保のため公表が望ましい」としており、結論が出ていない事項を含め、引き続き協議、検討を進め、改めて具体的な対応方針を業界に示していく方向だ。

 事務連絡は、消費者庁が2017年度に実施した「機能性表示食品の届出後における分析実施状況及び健康被害の情報収集等に関する調査・検証事業」について、識者らがまとめた調査報告書の内容を踏まえたもの。

 事務連絡では、健康被害の情報収集体制の充実化も求めていた。これに対して考え方では、「情報聞き取り体制、報告手順などは、厚生労働省通知の内容と合わせて検討する予定。今しばらく時間をいただくことになる」とした上で、それまでの間は、企業個別に検討を進めるよう求めた。ただ、健康被害の情報収集で活用できる参考ツールとして、通販協が取りまとめ、ウェブサイトで公開している、『サプリメント摂取による体調変化に関する申し出対応マニュアル』を示した。

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