ナンノクロロプシス 金秀バイオ、商業化目指す (2019.2.7)
金秀バイオは海洋性植物プランクトンの「ナンノクロロプシス」を、健康食品などの食品向け素材として、本格展開に乗り出す。臨床試験にも着手しており、今夏には同素材を配合した最終商品を通販限定で、実験的に販売する方針だ。
ナンノクロロプシスはEPAを豊富に含有しており、同社によると、可食部1㌘あたりのEPA含有量は、まいわしの13.82㍉㌘に対し、25.83㍉㌘と一般的な魚類に比べて多く含有するという。また、アミノ酸をバランスよく含有するほか、β-カロテンなどのビタミン類やミネラル、その他栄養素も豊富に含むという。
機能性に関しては、関東地方の大学と協力して臨床試験を進めており、EPAの特性をベースに中性脂肪の濃度低下、血小板凝集抑制、赤血球膜の流動性向上などでデータ取得を目指す考えだ。
一方で、課題は量産技術の実用化。製品規格化は終えているが、商業生産に向けての技術確立が重要テーマで、東京工業大学の太田・下嶋研究室と共同で金秀バイオの本社工場(糸満市)に培養タンクを設置して研究を続けている。量産技術が確立すれば、他の工場での委託生産に移行する考えだ。
こうした状況から同社では、機能性に関する知見整備と合わせて、ナンノクロロプシスの本格的な供給は、今夏以降になるとしている。
同社は沖縄モズク由来のフコイダン製品の販売が好調だが、モズクは生育が気象状況に影響される点がリスク要因。しかし、どの海域でも採取できる海洋性植物プランクトンのナンノクロロプシスは、原料調達のボトルネックはほとんどないとしている。