アンチドーピング認証サプリメント DgSに専用棚の導入を (2019.3.7)
アンチドーピング認証を受けたサプリメントを全国のドラッグストア等の店頭でも流通させようと、ヘルスケア製品卸大手の大木ヘルスケアホールディングスが提案を始めた。バイヤーなどを招いて26、27日の両日、都内で開いた提案商談会。同認証の一つ、インフォームドチョイス(IC)認証製品を集めた棚を提示した。「まだ早い」という指摘もあったというが、来場者の関心は決して低くなかった様子だ。
こうした棚の提案は日本初の試み。実際に店頭導入されれば、ドーピング検査を受ける可能性のある選手、あるいはその家族らが、安心してサプリを購入できる場が広がる。「検査を受ける可能性のある人のすそ野は広がっている」と同社関係者。今回の棚の意義は大きいと話す。
ただ、店頭導入に向けては課題もある。ドラッグストアなど一般流通が可能な認証製品の増加だ。
IC認証は日本では最近導入されたばかり。それでも認証取得件数は1日現在で62製品96品目、企業数としては20社以上にものぼる。その一方で、今回の棚に並んだのは、4社(日本水産、アサヒグループ食品、アボットジャパン、医食同源ドットコム)7品目にとどまった。
ドームが手掛けるアスリート向けサプリブランド『DNS』。すでに40品目以上でIC認証を取得している。ただ、一部ドラッグストアで取り扱われているものの、主要販路は通販や直営店。このように現在のIC認証取得製品は通販などで販売されるものが多く、取引条件や契約等の制約はあるにせよ、一般流通がすぐに可能な製品は限られているのが現状だ。
選手の多くは体調管理やパフォーマンス維持、向上のためにサプリを活用している。しかし怖いのは「うっかりドーピング」。国内では輸入サプリにおける事例しか報告されていないが、製造販売元も気づかないドーピング禁止物質の混入を疑う必要がある。
そうした「選手生命」を脅かす製品の流通を未然に防止し、選手らに安心してサプリを摂取してもらうための取り組みが、IC認証をはじめとするアンチドーピング認証。うっかりドーピング撲滅に向けた普及啓発を進めるためにも、多くの認証取得製品が全国の店頭に並び、情報発信されていくことには大きな意義がある。
【写真=提案されたアンチドーピング認証サプリの棚】