機能性表示食品の事後規制 規制改革が大ナタ振るう (2019.3.21)
予見性の低さ、適法と違法の境界線の曖昧さが指摘されてきた機能性表示食品の事後規制に、政府の規制改革推進会議が大ナタを振るった。今後、事後規制の指針を消費者庁にまとめてもらう。販売開始までの間に届出内容をチェックする仕組みの導入も。これにより運用改善を促す。
14日、規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループ会合が非公開で開催。その席で消費者庁表示対策課長らは、事後規制に関する指針を取りまとめ、公表する考えを示した。また、届出受理から販売開始可能となるまでの60日間を使い、指針に基づき、届出内容を事後チェックする仕組みを検討する考えも提示した。
事後チェックは、内容に問題を抱える届出を販売開始前にスクリーニングする仕組みとなる模様。そこで問題のないことが確認されれば、届出内容を適切に反映させている限り、広告表示にも問題は起きないことになる。規制改革推進室や複数の関係者によると、業界団体が主体となって事後チェックに取り組みつつ、同庁も協力していく方向性が示された。
同課長らは、指針の検討にあたり、表対課と食表課で連携するとともに、業界の意見を十分聞く考えも示した。指針の策定時期については、「業界の意見も聞くため時間はかかる見通し」などと答えるにとどめたものの、規制改革委員らは、同課長ら考えを了解、おおよその合意に至ったという。
事後規制は機能性表示食品制度の基本的な考え方の一つ。販売開始後に届出内容や広告表示に疑義を提示され、届出撤回を勧奨されることもある。ただ、明確な指針はなく、規制改革委員らは、「恣意的な運用が行われているのではないか」などと厳しく追及していた。
事後規制は景品表示法などに基づき行われているが、適法か違法かは表示全体を踏まえて判断される。そのため同庁は指針の策定に難色を示していたが、同会議は、指針がなければ事後規制は正しく機能しないとも主張していた。
14日は2回目の議論。昨年11月に同会議の専門チームで議論を開始していたが、問題を重く見てワーキンググループの議題に引き上げることになった。次期規制改革実施計画の改善要求事項にも盛り込まれる見通し。