DgS市場 7兆円突破 全国18年度 総店舗数も2万店超え(2019.3.21)
全国のドラッグストアの2018年度総売上高が推定で前年度比6.2%増の7兆2744億円となったことが、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が行った調査の結果、15日までに分かった。総店舗数は2万228店舗と前年度から694店舗増加した。
総売上高が7兆円台に達したのはJACDSの調査開始(00年度)以来初めて。総店舗数も初めて2万店舗を突破した。推定総売上高のおよそ8割にあたる5兆8445億円の市場規模を、JACDS正会員企業94社(1万4963店舗)で占める。
17年度調査で全国総売上高は6兆8571億円だった。18年度はそこから約4200億円が上積みされた。JACDSは要因について、①調剤分野への積極的な取り組み②食品取り扱いの強化③インバウンド需要の取り込み④目的来店性の高まりによるワンストップショッピングの効果──これらを背景にした積極的な出店が継続した成長につながったと分析している。
18年度の商品カテゴリー別売上高構成比を見ると、「調剤・ヘルスケア」が31.3%で最多。次いで「フーズ(一般食品)・その他」26.7%、家庭用品など「ホームケア」21.2%、化粧品など「ビューティケア」20.8%の順だった。ヘルスケアにはOTC医薬品や健康食品、介護用品、ベビー用品、マスクなどヘルスケア用品が分類されている。
全国のドラッグストアの総店舗数は拡大傾向が続いている。それでも、18年度調査で1店舗あたり売上高は、前年度比2.5%増の3億5962億円と3年度連続で増加し、調査開始以来の最高額を記録した。
総店舗数の増加は、チェーンドラッグストア企業大手が積極的な出店を継続しているためだ。JACDSでは、食品の取り扱い増加によるワンストップショッピングへの対応や、ドミナント強化などを進めていることが背景にあるとする。
また、ドラッグストアの地域密着化が進んでいることも店舗数の増加に関係しているとみられる。ドラッグストアは現在、消費の多様化、狭小商圏化、高齢化対応など、「変化する商圏を適確に捉え、変貌を遂げつつ国民生活に浸透し、地域密着を進めている」(JACDS)とする。
一方、近年では他業態を巻き込んだ競合の激化が続いている。そのため、M&Aなどに伴う企業数の減少傾向が続いているという。