薬機法改正案 閣議決定 未承認医薬品は課徴金対象外(2019.3.21)


 政府は19日、薬機法改正案(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案)を閣議決定した。

 今回の改正案で健康食品も係る可能性が指摘されていたのは、新たに導入される課徴金制度(虚偽・誇大広告による医薬品・医療機器等の販売に係る課徴金制度)。

 厚生労働省は19日、本紙の取材に対し「未承認医薬品の広告については課徴金の対象外になる」(同省監視指導・麻薬対策課)との見解を示した。同省によると「そもそも未承認医薬品はその売り上げ全てが違法であり、収益の一部を徴収するという課徴金制度の趣旨と異なる」(同)としている。

 薬機法改正案で盛り込まれた課徴金制度は、医薬品や医療機器等の名称、製造方法、効能、効果または性能に関する虚偽・誇大な広告に対して課徴金を課すもので、算定方法は、違反対象期間中における対象商品の売上額に4.5%を乗じる。

 ただし、課徴金額が225万円未満(売上高5000万円未満)の場合は、課徴金納付命令を行わないほか、業務改善命令などの処分をする場合で保健衛生上の危害の発生、拡大への影響が軽微である時、あるいは業許可などの取り消しを行う場合は課徴金納付命令を行わないことができるとした。

 また、対象行為に関して、すでに景表法での課徴金納付命令がある場合は、売上額に3%を乗じたものを控除するほか、課徴金対象行為に該当する事実を違反者が報告した場合は、課徴金を50%減額する。さらに、訂正広告など必要な措置を命じる措置命令を行うことができることも盛り込まれた。

 課徴金納付命令は地方公共団体の報告を受けて、国が執行を判断する。ただ、厚労省では「納付命令の権限はまずは国が持つということにした」(同)としており、今後、変わる可能性があることを示唆している。法案は衆議院に送付された。

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