キリンHD 乳酸菌事業の拡充加速 (2019.3.21)

キリンHD合体④

【写真=買収した「ノアレ」(上)と、カンロとの協業品の機能性グミ「ピュレサプリ イミューズ」(下)】

 キリンホールディングスが打ち出す乳酸菌事業の拡充施策が加速している。同事業の底上げは以前から中期経営計画などで発表されていたが、今月8日にヤクルトグループのヤクルトヘルスフーズが製造販売権を持つKW乳酸菌配合サプリメント「Noale(ノアレ)」の事業権買収を発表、一昨年からグループ横断で手掛ける独自乳酸菌「iMUSE(イミューズ)」では新たにカンロとの協業品を4月に投入するなど、乳酸菌事業の領域を広げている。

 「ノアレ」で用いるKW乳酸菌は、もともとキリンと小岩井乳業が共同開発した独自菌。これまでは、キリングループとヤクルト本社の合弁会社を経て、ヤクルトヘルスフーズが製造販売を担ってきたが、キリンによる今回の商品事業買収で、キリングループの手元に戻ることになる。買収金額は非開示。

 買収したサプリ「ノアレ」は、タブレットとハードカプセルの2品。来月1日からオンラインショップを中心に販売を開始し、2021年までにKW乳酸菌で約30億円の売上を目指す。

 一方、「イミューズ」については、2019年度から始まる中期経営計画の「医と食をつなぐ事業」の中核となる存在。事業展開モデルのひとつに、「イミューズ」を成長ドライバーとし、医と食の両面からブランド展開を進め、21年までに売上150億円、27年に230億円に事業規模を引き上げる構想だ。

カンロとの協業、4月に新製品
 「イミューズ」については、グループ展開のみならず、外販領域での営業活動も推し進める。同乳酸菌の外販ではカルビーが協業品を市場に流通させているが、4月からはカンロとの共同開発品が加わる。カンロが02年から展開する「ピュレグミ」シリーズのなかで、健康志向を訴求する「ピュレサプリ」の第2弾商材として展開する。

 新製品「ピュレサプリグミ iMUSE プラズマ乳酸菌」は、1袋(59g、約32粒)中にプラズマ乳酸菌1000億個に、コラーゲン4000㍉㌘、ビタミンC60㍉㌘を配合した機能性グミ。サプリをイメージできる小粒タイプのグミに仕上げた。店頭推奨価格は税込203円。全国の量販店、ドラッグストアなどに配荷を進めていく。カンロでは今後、機能性を付加した商材のシリーズ化も視野に事業領域を広げていく考えだ。

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