エア・ウォーター 健食市場に参入 (2019.3.21)
産業ガスのエア・ウォーターが国内事業多角化の一環として、健康食品事業にも進出することになった。
同社は14日、「黒にんにく」を製造・販売する株式会社元気(三重県)の株式63%を取得し、子会社化したと発表した。元気は主に青森県産にんにくを原料に、無添加、無加水、自己発酵による「熟成黒にんにく」を製造・販売している。
エア・ウォーターは事業多角化を急ピッチで進めており、特に近年は農業・食品事業の拡大に力を入れている。元気の子会社化もその一環だが、エア・ウォーターによると「健康志向の高まりを背景に、シナジー効果が得られるのならば、今後も健康食品分野のM&Aに取り組む」(同社広報部)としている。
窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウムなどの産業ガスは、食品工場でも多く使われる。エア・ウォーターが農業・食品事業の拡大に力を入れる背景には、もともとそうした地盤があった。
健康食品企業のM&Aはなにも同業者間だけで起こるとは限らない。最近は工業分野の企業による健食業界の進出も増えているようだ。業種の垣根は今後もますます低くなっていく。