強壮成分 原材料に混入か 相次ぐ検出 都内受託企業が製造(2019.4.25)
日健栄協GMP工場 都、協会が調査進める
東京都内の健康食品受託製造企業が生産した製品から、強壮系医薬品成分のノルカルボデナフィルが再び検出された。都によると、同社が仕入れた原材料に混入していた可能性が否定し切れないとしている。同受託製造企業は、日本健康・栄養食品協会の健康食品GMP工場認定を取得している。都では当該製造者の原材料チェック体制も調査するとしている。
今回のノルカルボデナフィル検出は、都が16日に行った報道発表によって明らかになった。
発表によると、3月27日に東京都ほか、大阪府と千葉県がノルカルボデナフィル検出を発表した健康食品の製造者が、いずれも同一の都内製造者であったことから、同製造者に対して調査を行い、その際に製造者から任意提出された違反製品と類似の製品「BARIKATA」を分析したところ、1カプセル中に6.9㍉㌘のノルカルボデナフィルが検出された。
都の発表によると、「BARIKATA」の原材料は、トンカットアリ粉末、マカ粉末などで、同製造者は原材料の粉末を仕入れ、自社工場でカプセルに充填する製造工程を行っていたという。同粉末の流通経路や輸入品か否かについて、都では「現在、調査中」(都薬務課)としている。同製造者に電話とメールで取材を求めたが、23日までに回答を得られなかった。
同製造者は日本健康・栄養食品協会(日健栄協)の健康食品GMP認証を取得しており、日健栄協もすでに当該製造者から報告を受けているという。「現在、報告の第1弾が届いたところで、現在、それらを確認中。さらにデータの提出を受ける予定だ」(健康食品部)としている。日健栄協では引き続き調査を進めると同時に、都の最終判断を踏まえて、協会側の対応を決めるとしている。
都では今回の事案に関して、ノルカルボデナフィルの検出が各都道府県の広範囲に及んでいることから、製造主の原材料チェック体制や、どのような検査を行っていたのかなどを詳細に調査する方針だ。「経路や原因などについてしっかり調査する」(都薬務課)としている。
都では3月27日の違反段階で、同製品販社と製造者に対し、商品の販売中止と自主回収、製造・出荷中止を指示しており。調査結果がまとまり次第、薬機法に基づく措置を検討する考え。