合成シリコーン代替原料 サティス製薬、天然物から開発 (2013.8.8)
シャンプーに用いられる合成シリコーンの代替機能を持つ植物由来原料の開発に、このほど化粧品受託製造の㈱サティス製薬(埼玉県吉川市)が成功した。新原料を使えば、合成シリコーンと同等の毛髪ダメージケアと、頭皮にやさしいスカルプケアを同時に実現するシャンプーの開発が可能になるという。これを活用したダメージケア用シャンプーを、通販化粧品メーカー2社が今年末までに発売する見通し。
同社が開発した新原料は、椿油など4つの植物由来油脂を組み合わせたもの。毛髪への付着性と浸透性の両面で最適な植物油脂を選定し、毛髪への高いコーティング性能を発揮しつつ、それを頭皮や毛髪へ蓄積させない作用を実現する原料を開発した。最終製品化後1年間のうちに、1億2000万円の売上を目指す。
合成シリコーンは、毛髪の表面をコーティングするなどして毛髪のダメージを防止する効果がある一方で、同社によると長期間の使用で頭皮の毛穴を塞いだり、髪表面に過剰に蓄積する「ビルドアップ」という現象を起こし、結果的に頭皮や毛髪に悪影響を与える場合もあるという。
一方、そうした影響はシリコーンを使わないシャンプーにはないものの、洗髪時の毛髪の摩擦を抑える機能は弱く、ダメージケアには不向きという事情もあった。