焼津水産化学工業 アンセリンの生産強化へ (2019.5.16)
焼津水産化学工業が機能食品事業に積極投資を行う方針を固めた。液体調味料の生産工場の移設費用を含め総額約19億円を投資し、機能性食品素材を生産する新工場を国内に建設する。これにより、主力素材のアンセリンやN‐アセチルグルコサミン(NAG)の生産能力・効率を高め、需要の拡大に対応する。
10日に発表した。新工場は、静岡県掛川市の同社の大東工場内に新設する。10月に着工し、21年上期の完成を目指す。従来、NAGなど一部の機能性食品素材の生産は焼津の工場が担っていたが、主力素材の生産を新工場に移管・集約させる。これにより生産能力と生産効率を高める。
とくにアンセリン(魚肉抽出物)の生産能力・効率を高める目的が強そうだ。同社のアンセリンは、尿酸値の上昇を抑える働きを訴求する機能性表示食品の機能性関与成分として、ここにきて届出件数が増加。富士フイルムがサプリメント、サッポロビールがノンアルコールビールで最近届出を行っている他、届出準備を進めている企業も複数あるとみられ、既存の生産体制では需要に応じられなかった可能性がある。
なお、同日発表した2019年3月期の連結決算は、売上高が前年同期比4.1%増の164億5800万円、経常利益は10.9%減の8億8900万円と増収減益。機能食品事業の売上高は6.5%減の29億3300万円だった。