ファンケル 18年度業績 サプリ事業は22%増に (2019.5.16)
ファンケルは、昨年来続く堅調な国内需要とインバウンド消費を背景に、2019年3月期の業績を大きく伸ばしている。主力の化粧品、サプリメント事業の好調が際立つ。
先月25日に発表した18年度のサプリ事業の業績は、第3のスター製品候補として展開する機能性表示食品「内脂サポート」、年代別サプリメントが好調に推移したことなどで、売上高は対前年比22.2%増の439億1900万円を計上した。損益面では、「内脂サポート」などへの広告宣伝費が膨らんだものの、増収効果による売上総利益の増加により、セグメント利益は同307.0%増の35億1900万円を計上した。
今期のサプリ事業は37億円プラスの476億円の売上高を見込む。前期に引き続き「内脂サポート」を伸ばす一方で、次期スター製品候補として展開している機能性表示食品の「尿酸サポート」を強化する方針。下期には、パーソナルサプリメントを投入し、中・高価格ユーザーの取り込みを図る。また、BtoB事業も押し上げる。これまでにダイドーやネスレなど協業品開発などで実績を上げており、同社のブランド力や研究、技術力などを活用し、食品メーカーを中心にコラボ展開を拡大させる方針。
同事業の販売チャネル別の売上高も、この数年のインバウンド消費の拡大で変化しつつある。従来は通販チャネルを主軸としていた分野だが、前期は、通信販売146億4100万円、店舗販売140億4100万円、卸販売他(ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの一般流通)127億2800万円などの内訳で、店販・卸での販売実績が高まっている。同社では、ショッピングモールなどに出店する新業態店を4月に開店するなど、店舗事業の拡充策を推し進めている。
同日開催のアナリスト向けの決算説明会で同社島田和幸社長は、1月に施行された中国電子商務法によるインバウンド消費の影響について触れ、「1月は多少の影響はあったが、新EC法によりインバウンド売上が縮小することはないと考える」とし、3月が単月で過去最高の売上を計上するなど、インバウンドが引き続き好調を維持している現況を述べた。
同社の18年度の全体の売上高は、同12.4%増の1224億9600万円を計上。経常利益は同42.8%増の123億4800万円で、2期連続の最高益となった。
20年3月期の業績予想は、売上高1310億円、経常利益151億円。広告宣伝費は前期の159億円から10億円増やし、170億円を投下する予定。