マツキヨ、ココカラ 資本業務提携へ DgS業界大再編か(2019.5.16)


 総売上高が7兆円を超えるドラッグストア(DgS)業界の新たな再編が始まった。マツモトキヨシホールディングスとココカラファインが、資本業務提携の検討協議を開始すると先月26日発表した。医薬品や化粧品などの仕入れや物流面での共同化、プライベートブランド商品の共同開発などを検討し、9月までに合意及び契約締結を目指すという。グループ化が実現すれば、売上高で1兆円に迫る業界首位の連合体が誕生する。

 マツキヨが10日発表した18年度の売上高は5760億円で店舗数は1654店、ココカラの18年度売上高は4006億円の1354店(店舗数はともに19年3月末現在)。売上高を単純に合算すると9766億円となり、現在7791億円(18年度)を売り上げる業界首位のウエルシアホールディングスを大きく引き離す。店舗数でも3000店を超え、2055店舗(19年3月18日現在)を持つツルハホールディングスを大きく上回ることになる。

 マツキヨはDgS売上高で長年首位を独占していたが、M&Aなどで事業規模を拡大していたウエルシアに首位の座を17年に明け渡していた。

 今回の提携に向けた協議の背景には、ともに都市部周辺に多くの店舗を持ち、展開エリアを相互に補完できるメリットを活かせるなどを判断材料としたもよう。店舗の展開エリアについては、マツキヨは関東エリアを中心に都市部の駅前型などの展開に強い一方で、関西エリアは手薄気味だった。ココカラは関東・関西など都市部の出店を進めているが、住宅地周辺に出店するケースも多く、グループ化による出店地域の住み分けは問題なく進みそうだ。

 現在のDgS売上高上位にはウエルシアホールディングスを首位に、18年度業績で7716億円を見込むツルハが2番手に付ける。先月から首都圏の出店を開始した、九州エリアを地盤とするコスモス薬品の18年度業績予想は6100億円で、業界3位に躍り出ることが見込まれている。

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