ポーラ・オルビスHD19年第1四半期業績 (2019.5.16)
ポーラ・オルビスグループホールディングスの2019年12月期第1四半期連結決算は減収減益だった。POLAブランドの国内インバウンド売上の減少が響き、売上高は前年同期比11.9%減の524億4400万円、経常利益は31%減の65億2500万円と大きく落ち込んだ。「(国内インバウンド売上のうち)捉えきれないバイヤー需要があり、その分が想定以上に減収となった」としている。
4月26日に発表した。訪日観光客数は回復している一方で、国内インバウンド売上が減少した背景には、中国で1月に施行された「電子商務法」(新EC法)の影響があるという。SNSやCtoCのECサイトを通じた海外購入商品の販売を適正化する狙いがあるとされる同法の施行によって、インバウンドバイヤーの需要が減速した。
ポーラの第1四半期売上高は、11.5%減の320億2100万円、営業利益は27.3%減の55億9400万円と大幅な減収減益。ポーラ・オルビスHDによると、美白訴求の美容サプリメント『インナーロック』が約30億円も減収したことなどが響いた。
同品の大幅減収の背景には、前年のリニュアー第6回研究会を来月21日に日本黒酢研究会ル効果に対する反動影響がある他、中国のSNSで安全性に関する誤認記事が出たことによる風評被害も影響したが、「むしろ新EC法による(インバウンド)バイヤー需要の影響の方が大きい」としている。
インナーロック以外の美容サプリメントでも、インバウンドバイヤー需要の減退で減収が見られた模様だ。ポーラ・オルビスHDでは「美容健康食品には賞味期限があるため、転売在庫の消化を急いでいるのではないか」と分析している。
肌トクホ、好調に推移
一方、オルビスの第1四半期売上高は、1.3%減の123億1700億円、営業利益は30.3%減の17億1900万円となった。
昨年10月に全面刷新したスキンケア化粧品『オルビスユー』シリーズが好調に推移した他、1月に新発売した肌に対するヘルスクレームを表示する特定保健用食品『ディフェンセラ』の売上が8億円強と計画を上回り、新規顧客獲得に貢献。ただ、ディフェンセラは想定を上回る反響で品薄状態に。また、発売と同時に積極的な広告宣伝を行なった影響もあり、減収減益となった。
ディフェンセラは、米由来グルコシルセラミドを関与成分として保湿機能を訴求する粉末飲料型の美容サプリメント。日本で初めて発売されるいわゆる「肌トクホ」で、2月からは越境ECで中国での販売も始まっている。品薄状態は4月中旬までに解消したという。