経産省 18年度の電子商取引調査まとめ (2019.5.23)
健康食品業界も積極的に取り組んでいるEC市場がさらに拡大している。経済産業省は16日、「2018年度の電子商取引に関する市場調査」を発表し、国内BtoC市場や中国越境EC市場が引き続き大きく拡大しているとした。
発表によると、日本国内のBtoC市場は、前年比8.9%増の17兆9845億円で、うち物販系分野は8.1%増の9兆2992億円に拡大した。2010年度の国内BtoC市場は7兆7880億円で、約8年で10兆円増えた計算になる。
ただ、調査報告では「伸びは緩やかになっている」とし、「一部の業界関係者や有識者等へのヒアリングでは、今後市場規模の大幅な拡大は見込めないのではないかとの見解も聞かれた」と記した。その要因として、①ネット内での価格競争の激化②実店舗の充実③ネットや実店舗を問わない消費者の最適化行動――などを挙げている。
物販系の商品種類別では、健康食品についても触れており、「売上げが着実に拡大している」とした上で、「健康食品のメインユーザーである高齢者が、テレビ通販やカタログ販売等から徐々にECでの購入に移行していることがその要因のひとつ」と分析している。
また、健康食品については「大手企業による積極的なプロモーション戦略も展開されており、今後も市場が拡大すると予想される」とも記している。
一方、中国消費者による日本からの越境EC購入額は、前年比18.2%増の1兆5345億円。と引き続き高い伸びを示した。伸び率では17年度の25.2%増を下回っている。
中国消費者の越境EC全体の商品種類別購入割合では、昨年に続き化粧品がトップで、食料品が2位。日本製品に関しては、「(ここ1年間で)購入した・購入したい日本商品」の1位、2位を化粧品が占めており、健康食品は12位にランクしている。
今後の中国消費者による日本からの購入額の予測では、19年に1兆8184億円、22年は2兆5144億円に達するとしている。米国からの購入も19年2兆474億円、22年2兆8312億円と引き続き拡大すると予測している。